社内企画会議という高い壁

社内企画会議という高い壁

本を出版したいと考えている作家にとって、出版の流れを知っておくことは、大切なことです。自費出版なら、なおの事でしょう。出版が実際行われるまでには、いくつかのハードルを乗り越えていかなければいけません。最初のハードルは、出版社の担当編集で行う採用判断。ここで幸い採用となれば、次の一層高いハードルとなる「社内企画会議」に向け、持ち込んだ企画書のさらなるブラッシュアップのため、打ち合わせがもたれます。

そして、いよいよ最終的な採用可否を決定する「社内企画会議」を迎えます。これがまた、なかなかの高いハードルと言えるでしょう。出版社の編集部、営業部、広告部の各役職者に加え、出版社によっては社長までもが加わっての、その出版社にとって命運をかけた重要な会議との位置づけになるからです。編集部の行うプレゼンテーションに対し、それぞれの部の意見が出され、最終的に出版に踏み切るかどうかか決定されます。分野が限られた出版社では、各部とも役職者と言えどもそれなりの知識をもっている場合が多く、具体的な企画の内容まで問われる場合があります。

一方、大手出版社となると、分野によっては、素人という役職者もいるかもしれません。そんな会議で、企画を通そうと思えば、なぜ売れる本と判断したか、を問われかねないので、それなりの理由を明確に答えられなければいけません。担当編集者のプレゼン力が問われるところかもしれません。この社内企画会議も無事通過となれば、いよいよ具体的な出版に向けた打ち合わせへと、駒は進められていきます。ここでの打ち合わせのメインテーマは「台割」作成。台割とは、目次の元となる全体の構成表、と言ったところでしょうか。ここで、面白そうな章は増え、そうでない部分はカットという憂き目にあいます。更に、カバーデザインやタイトルをどうしようか、と言ったところも打ち合わせが行われていきます。